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専門家・情報・体験談 CONTENTS

①業者選びから始める

家を建てる際に「さてどこに頼もうか」と、業者探しから始めることはよくあります。しかし、そこに一つの落とし穴があります。
一つの例を挙げてみましょう。たとえば家を建てる際には、工法を選択する必要があります。工法にはいくつかの種類がありますが、そこを決めないまま業者選びから始めたらどうなるでしょうか?業者は通常、自社が得意とする工法で家を建てます。つまり先に業者選びから始めてしまうと、自動的に業者の得意な工法で建てることになるのです。これはハウスメーカーの場合も同じ。工法にはそれぞれメリット・デメリットがあるので、まずはそうした特徴を調べて、工法の異なる業者から情報を集めたうえで、希望の工法を決めましょう。その段階で初めて、業者を選ぶ。この手順が大切です。

②住宅展示場に行って家・業者を決める

住宅展示場に行き、キレイなパンフレットや完成された壁・キッチン・トイレ・フローリング・外観デザインを見ても、表面的な判断しかできない場合があります。営業スタッフの人柄で決めるケースもよくありますが、家を建てるのは営業スタッフではありません。
実際、家の良し悪しは見えない部分(床下や壁の中など)に大きく左右されます。表面的な部分にとらわれて、隠れた部分を見落としてしまうせいで、快適な家をつくれない可能性もあるのです。

完成した住宅展示場の建物よりは、施工中の工事現場を見学し、土台や壁の中がどのように施工されているのかを確認することが大切。「施工現場がキレイに整頓されているかどうか」なども、職人の仕事への姿勢が表れるので参考になります。完成形だけ見ても、この部分はわかりません。

③偏った情報で判断する

情報を集めることはとても大切。その意味で、インターネットや本から情報を集めることには意義があります。しかし、インターネットにはたくさんの情報があふれています。そしてその中には、業者による宣伝を兼ねたものも多く存在しているのです。
また住宅関連の本は、特定の業者の立場から書かれているため、本によって言っていることが異なり、「数冊読んだけれどよくわからない」というケースもよくあります。

住宅には、算数のように決まった答えがありません。答えは自分で見つけるしかないのです。中立的な立場で書かれたサイトもあるため、ぜひ利用してみるといいでしょう。このようにメディアを上手に選んで判断の偏りを減らし、広い視点を持ちながら、情報を整理していく必要があります。

④紹介で家・業者を決める

紹介者が知人の場合、趣味やライフスタイルはあなたと異なるはず。その業者が、自分に合うとは限りません。また、工法も紹介された業者に依存してしまいます。
そして、家にはお金が伴うもの。予算や金銭感覚も、あなたと知人で異なるでしょう。でも紹介を受けたとなると、価格交渉の際に知人に気を遣ってしまい、本音でやりとりできないかもしれません。工事中に気になる点があっても、業者に遠慮して言えないかもしれません。その知人が上司や近しい親族ならなおのことです。実際に、「紹介された業者が原因で知人と疎遠になった」というケースもあります。知人の紹介だけでは、簡単に業者を選択しないように気をつけましょう。

⑤見積もりの安さで判断する

「見積もりが安かったから」といった理由で業者を決めて、失敗するケースもよくあります。
たとえば、「障子が思っていたより安かった」「壁を漆喰にしたけれど、イメージと違う」などの場合です。部材にはそれぞれグレードがあり、品質と値段が異なります。こうした部分は、見積もり価格だけでは判断できません。また、業者でよく使用する部材・施工方法も異なります。
さらにいうと、「質の悪い素材を使い、工事の工程を省略して見積もり価格を下げる」ということも、業者には簡単にできてしまいます。見積もりの安さだけで、業者を決めてしまわないように注意しましょう。

⑥業者に丸投げする

「自分は家の素人なので、大手に頼めば安心」「とりあえず、業者にまかせれば大丈夫」「ちょっと決めかねているから、風水に頼ってみよう」こんなふうに、家づくりを自分以外の何かに依存して丸投げしてしまうと、「家に対する責任感」が薄れてしまいます。
また、「自分は客だから、業者は満足できるように仕上げてくれて当然!」といった発想も危険です。選択する責任を持たぬまま家づくりを進めれば、業者と二人三脚の健全な関係を築けず、トラブルに発展するケースもあります。

住まい選びは人生選び、家づくりは人生づくりといわれます。自分の人生を他人に丸投げすることはできません。
同じように家や業者の選択には、すべて自己責任が伴うもの。その点を十分に覚悟したうえで、後悔のないように進めていきましょう。